春空を容れヨガの四肢ひらきゆく
のどけしや屋根の小さき停留所
高らかに白木蓮のアルペジオ
一人遅れ啓蟄の吊り橋の上
春の池小さく光り霊柩車
同じこと繰り返す父春の夜
ものの芽や腕広げしマリア像
土筆摘むだんだん声の遠くなる
終点の河津桜に迎へられ
風強き雨へ夜半の春の雪
春の雪ほどの縁と思ひけり
ひなあられ主治医の言葉復唱す